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ニットの獣毛臭の原因と対策

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可愛いニットを買ったけど、家に持ち帰ってみると獣臭がすることがありますよね。 その原因と対策をまとめましたのでお悩みの方はぜひ試してみてください。 獣毛臭がしやすい素材・獣毛臭の原因: 1. 獣毛由来の毛脂(天然脂)/獣毛臭がしやすい繊維     - 羊毛(ウール)     - ラクーン     - アンゴラ、モヘア     などの獣毛に含まれる毛脂(ラノリン)が酸化し、臭いの原因となることがあります。 ラクーン素材↑/写真のような毛足の長いニット 2. 通気性の低下 獣毛製品は通気性が低く暖かい反面、湿気や汗が溜まりやすいため、臭いが残りやすくなります。(暖かいニット繊維は繊維特性上、多少臭いは付きものです) 3. 染料の影響 明るい色の染料が使われると、化学物質が臭いの原因となることがあります。原色などの明るいカラーは特に悪臭がするケースがございます。 写真のような発色性の良いニット特に臭いがキツくなりやすい 羊毛やラクーンは特に保湿性や保温性を高めたり、毛をコーティングする役割があるラノリン(毛脂)という脂肪質が含まれています。 ラノリン(毛脂)は化粧品の原料や、軟膏などの医療品に使われたりと私たちの身近にもある物質ですが、精製される前のラノリン(毛脂)は強い臭いがあります。 通常は糸を染色する前や、臭い自体を取るためにラノリン(毛脂)を除去するのですが、保温性や撥水性を保つために意図的に多めにラノリン(毛脂)を残しておいたりします。 このように、生産過程で繊維にたくさんラノリン(毛脂)が残ると、臭いが強くなってしまうというわけです。 製品化する際はこの臭いをとるため、また色も染めにくいため漂白をしてラノリン(毛脂)を取り除きます。
しかし脂を取り除くことで保温性や撥水性なども失われるため、脂分をどれほど残すかの処理により、天然の獣臭が強く残る場合があるのです。 天然の獣毛ニットは風合いや温かみを残すためには、多少臭いは仕方がないと多少は認識するべきですね。 獣毛臭の対策:    ※1〜4の順に試してみてください。 1. 消臭スプレーの活用(ファブリーズ) 消臭効果のある洗剤や消臭スプレーを使用して臭いを軽減します。ファブリーズを衣類全体にかけて、平干し乾燥を3回程繰り返すと臭いが軽減されることがあります。 ※ファブリーズの臭いが嫌な方は『無香料』をお選びくだ

ニットのサイズ問題を解決!手軽なストレッチテクニック

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襟元がヨレヨレになったり、袖口が縮んできれない!なんて経験をされた方もいるのではないでしょうか? ニット製品は柔らかく繊細な素材でありながら、適切にケアすれば美しい状態を保つことができます。その中でも、アイロンがけはニット製品を整え、シワを取り除く上で重要な手順の一つです。しかし、間違ったアイロンがけは繊維を傷つけ硬くなったり、形状を変えたりする可能性があるため、注意が必要です。 1. ニット伸縮構造と生じる問題 - 「伸び」や「縮み」 着用や洗濯によってニットは伸びたり縮んだりすることがありますが、アイロンを使うことで絡まった繊維を整え、形状を整えることができます。 - 「シワ」 ニット製品はたたんだ際にシワができやすいですが、アイロンを使うことでふんわりとふくらみ、シワを取り除けます。 2. アイロンがけの基本原則 ニット製品にアイロンをかける際は、以下の基本原則を守りましょう。 -直接アイロンをあてない ニット製品の素材には熱に弱いものがありますので、直接アイロンをあてないようにしましょう。 - 浮かせてかける アイロンは生地から約1cmほど浮かせてかける「浮かしがけ」がポイントです。スチームをかける際には、生地全体に均等にスチームをかけるよう心がけましょう。 3. アイロンがけの手順     3-1. アイロンの温度設定 使用するニットの素材に合わせて、適切な温度設定を選択します。(詳しくは、下記記載の素材別アイロンをご確認ください)     3-2. スチームをかけてアイロンで整える 下記通り、袖山→袖前→見頃→襟元の順に行ってください。    - 袖山部分 袖山部分を確認 袖山を平らにセット スチームを当てしっかりと蒸気を吸わせます。その後温かいうちに赤矢印の方向に生地を伸ばして形を整える。 矢印の方向に伸ばしてサイズを 正しながらアイロンで整えましょう 。    - 袖の前部分 上記、袖山手順と同じく袖山を上にした状態で平らにして、スチーム&サイズ調整を行います。 アイロン前後/事例A アイロン前後/事例B アイロンを丁寧に行えば、写真のように縮んでしまった袖部分も綺麗に復活することができます!    - 見頃部分 同じくスチームを当てしっかりと蒸気を吸わせます。その後温かいうちに赤矢印の方向に生地を伸ばして形を整える。    - 襟元部分 同

ニットの油染みなどの汚れ原因と対策

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  ニットの油染みなどの汚れ原因と対策 ニット製品は、その柔らかな素材や独特の風合いで人気がありますが、日常生活や保管中に油分の付着や食べ物・飲み物の飛沫、外部からの汚れなどで汚れることがあります。これらの汚れに対処するためには、以下の対策が有効ですので参考までに。 1.  油染みの対処      -  油溶性のシミには、 40 ~ 60℃ のお湯に浸けてから洗剤で優しく擦り落とし、放置後に水で洗い流します。     2.  応急処置      -  外出時など、油染みがついた場合は、水で湿らせた布で拭き取り、その後水で洗い流し、水分を取って乾燥させます。     3.  洗濯前の確認      -  素材と洗濯表示を確認し、洗濯可能かどうかを確認します。 ※洗濯禁止表記の場合は クリーニング屋さんへご相談ください。 汚れ部分に洗剤をつける手順 1. まずは 汚れた部分を確認する。 2.  汚れた部分に適量をつける 汚れた部分に洗剤を直接つけ、 程度に応じて適量を使います。 3.  軽くこする 指や柔らかいブラシを使って軽くこすります。 4.  放置する 洗剤をつけたまま 5 分間ほど放置し、 汚れを浸透させます。 汚れ部分が数箇所あればこのようにスプレーして放置 5. 最後に 水で洗い流す 洗剤が馴染んだら、 水 で洗い流しやさしく押し洗いします。 洗剤でなかなか落ちない油染み等の対策 おすすめの漂白剤スプレー なかなか取れない油染みがあるけどどうしよう。漂白剤を使うと色落ちも心配だし、 もう諦めて着るか捨てちゃうしかないかな。 などでお悩みの方は一度使ってみて欲しいのが、 ワイドハイター  ( ワイドハイター PRO) ※私もなかなか落ちない汚れにこちらの 漂白剤スプレーを使っています。     -  手強い汚れに効果的で、泡が立ち、 汚れを浸透・密着させる。     -  使用方法:さっとスプレーして洗剤と一緒に洗濯するだけ。 ( 泡を付けて 3-5 分ほど放置 ) 汚れを落とす効果が高く、比較的色落ち懸念もなく繊維を優しく扱うことができます。 まとめ ニット製品の汚れには様々な原因がありますが、適切な洗剤と処理方法を選ぶことで効果的に落とすことができます。応急処置や洗濯前の確認も重要です。上記の手順を参考にして、ニット製品を適切にお手入れしてください。 以上

家庭洗濯禁止表示/ドライクリーニングについて

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ドライクリーニングについて // 重要性と注意点 今回は家庭洗濯禁止のニットはどのように 取り扱うのが最善なのかを考えて 記事にしてみましたのでご覧ください。 家庭洗濯禁止表記↑ ニットのクリーニングは、 そのデリケートな素材や特殊な加工を考慮すると、ドライクリーニングが最適です。 ドライクリーニングは、 水を使用せず特殊な溶剤を使用 するため、 繊細な素材や特殊な加工が施された衣類でも 安全に洗浄できます。 特にカシミヤやウールなどの繊細な素材や、 装飾が施されたニットには ドライクリーニングが適しています。 ニットを洗濯する場合 は必ず洗濯表記を 確認 して正しい方法でクリーニングしましょう。 洗濯禁止表記↑ 家庭での洗濯禁止表示がされている ニットを家庭で洗った場合、 以下の懸念点があります。 1.  型崩れと縮みのリスク 毛糸から編まれたセーターやニットは、 水や摩擦によって繊維が縮んだり、 形が崩れたりする可能性が高まります。 家庭の洗濯機や手洗いでは、 適切な温度や洗濯方法を保証することが 難しい ため、型崩れや縮みが生じやすくなります。 2.  素材へのダメージ 特にカシミヤやウールのような繊細な素材は、 水に浸すことで繊維が傷みやすくなります。 また、洗剤の成分や摩擦によって素材が 劣化する可能性もあります。 3.  繊細な加工の損傷 セーターやニットには、特殊な加工や装飾が施されていることがあります。家庭での洗濯では、これらの加工が損傷する可能性があります。例えば、縫い付けられた装飾が取れたり、特殊な染料が褪色したりすることがあります。 実際このように色落ちするケースもあります。 これらの懸念点から、 家庭での洗濯禁止表示がされているニットは、 クリーニング専門店に出すことをおすすめします。ニット専門家が適切な方法でクリーニングを行うことで、素材やデザインを保護し、長く愛用することができます。 クリーニング頻度については、 1 シーズンに 1 ~ 2 回程度が適切です。 高頻度のクリーニングは繊維の傷みや色落ち、 形崩れのリスクを高めますので、 汚れが目立たない限りは避けるべきです。 地元のクリーニング屋を利用することをおすすめします。地元のクリーニングチェーンに持っていくと、地元ニット専門業者が業務委託で 請け負ってくれるため、相場価格で安心して